設定リファレンス¶
対象: CPersona 2.5.x。 設定はすべて環境変数で、妥当な既定値を持ちます。 このページが正本で、README は quick start に必要な部分集合だけを持ちます。
翻訳について: 正本は英語版です。変数名・既定値・型は原文のまま保持して います (訳すと設定できなくなるため)。
基本設定¶
| 変数 | 既定値 | 説明 |
|---|---|---|
CPERSONA_DB_PATH |
data/cpersona.db |
SQLite データベースのパス。クライアントの作業ディレクトリからの相対なので、セッションをまたいで 1 つの記憶を保つには絶対パスを指定してください |
CPERSONA_EMBEDDING_MODE |
none |
埋め込みモード: http (ローカルの埋め込みサーバー)、api (OpenAI 互換エンドポイント — CPERSONA_EMBEDDING_API_URL の既定は OpenAI なので、このモードはリクエストごとに課金されます)、none のいずれか |
CPERSONA_EMBEDDING_URL |
(未設定) | 埋め込みサーバーの URL。例: http://127.0.0.1:8401/embed |
CPERSONA_VECTOR_SEARCH_MODE |
local |
ベクトル検索の実行場所 (local = プロセス内コサイン、remote = 外部委譲) |
CPERSONA_RECALL_MODE |
rrf |
recall の融合戦略 (rrf / rsf / cascade) — 後述 |
CPERSONA_RECALL_PREVIEW_CHARS |
500 |
プレビュー階層: recall 系ツールが返す本文の最大文字数。full_content=true は 1 応答あたり 200,000 文字の予算内で全文を返します (bug-211): 超過分は行がプレビュー階層に戻り — 関連度の高い行から全文で残し (bug-214) — 応答に full_content_budget_chars が付きます。残りは get_contents が自身の 40,000 文字予算で取得します。0 はプレビュー階層と両方の予算を無効化します — 無効な階層への降格は本文を無言で落とすことになるため、切り詰めをやめる選択はどこでも切り詰めないという選択になります |
CPERSONA_RRF_K |
60 |
RRF の平滑化パラメータ |
CPERSONA_MAX_CONTENT_LENGTH |
16000 |
記憶 1 件・エピソード 1 件あたりの最大文字数。超過分は切り詰められ、check_health(fix=true) は既存行も上限で切るため、下げると保存済みデータが短くなります。2.5.4a2 で 2000 から引き上げ。埋め込みウィンドウを超えた本文も、行全体を索引するキーワードチャネル経由では検索できます |
CPERSONA_MAX_PROFILE_LENGTH |
2000 |
プロフィール 1 行あたりの最大文字数 (記憶とは別枠)。プロフィールはプレビュー切り詰めの対象外なので、この上限だけが唯一の歯止めです。ただし全応答に注入されるわけではありません: プールが 50 行未満の間は品質ゲートがプロフィール行を落とし、スコア付きの結果で埋まっている場合は limit が落とします (契約 §7) |
CPERSONA_CONFIDENCE_ENABLED |
false |
confidence メタデータを結果に含める — かつそれをランキングキーにする: 結果集合はこのスコアで並べ直され、品質ゲートもこれを見ます。有効時、CPERSONA_RECALL_MODE は返却順を決めなくなります (契約 §2) |
CPERSONA_AUTO_CALIBRATE |
false |
起動時に自動較正する |
CPERSONA_TASK_QUEUE_ENABLED |
true |
バックグラウンドタスクキュー (DB 永続・クラッシュ復帰可能) |
CPERSONA_RECENT_RECALL_PENALTY |
0.7 |
直近に想起された記憶へのペナルティ |
CPERSONA_RECENT_RECALL_WINDOW_MIN |
5 |
上記ペナルティの対象時間窓 (分) |
CPERSONA_MAX_MEMORIES |
10000 |
ベクトル検索の走査ウィンドウ (保存件数の上限ではありません) — 大きなコーパスでは引き上げてください (契約 §4) |
CPERSONA_VECTOR_REACH |
0 |
ベクトル検索が走査ウィンドウの先をどこまで見てよいか (行数)。効果を持たせるには CPERSONA_MAX_MEMORIES より大きくする必要があります: 同値以下 (既定の 0 を含む) では遠方リストは存在せず、追加の処理は一切走りません。大きくすると、2 つの数値の間にある行が第 2 のリストとしてランク付けされ、第 1 のリストと並んで融合されます。つまりウィンドウは新しさの事前分布として働き続けたまま、到達距離だけを独立に伸ばせます。ローカルのベクトル検索と rrf/rsf の融合モードでのみ有効です (契約 §4) |
CPERSONA_VECTOR_FAR_LIMIT |
0 |
その第 2 のリストのうち何行を融合層に渡すか。0 (既定) は応答の limit と同じという意味で、この設定なしで構築される第 2 のリストそのものです。正の値を与えると min(limit, N) 行に切り詰められます。これは候補件数の上限であり、行のスコア計算は一切変わりません。したがって残るのは、フル長のリストが先頭に並べていた行そのものです。CPERSONA_VECTOR_REACH が CPERSONA_MAX_MEMORIES より大きくない限り無関係で、第 1 のリスト側の打ち切りは limit のままです (契約 §4) |
CPERSONA_AUTOCUT_MIN_RESULTS |
3 |
この件数未満の結果集合は autocut されません。autocut は類似度スケールのシグナル — confidence スコアリング下、あるいは cascade が作る生 cosine だけの均質なリスト — に対して発火し、rsf/rrf では意図的に不活性です (契約 §6)。したがってこのつまみが働くかどうかを決めるのは融合モードです |
CPERSONA_FUSED_GATE_ENABLED |
true |
融合後の品質ゲート。無効化は最終手段です: フィルタはプール規模のヒューリスティックにフォールバックし、粗くはなりますが弱い一致は依然として弾かれます — 失うのはこのコーパスに対して測定された動作点です |
CPERSONA_DEGRADED_ADVISORY |
true |
埋め込みが利用不能な間、recall 応答に advisory を付ける (runbook) |
CPERSONA_UPDATE_CHECK |
true |
プロセス起動ごとに 1 回 pypi.org を参照し、このサーバーの新しい — あるいは撤回された — リリースを検出して recall / check_health / check_update で報告する (何を送るか)。false で機能全体を無効化します: リクエストもキャッシュファイルも通知もありません。どちらの設定でも更新が自動で行われることはありません |
CPERSONA_UPDATE_CHECK_INTERVAL_SECONDS |
86400 |
その判定が有効な期間。データベースの隣の update-check.json にキャッシュされ、この時間内の再起動ではリクエストが発生しません |
CPERSONA_EPISODE_PENALTY_ENABLED |
true |
エピソード境界ペナルティ (契約 §3) |
CPERSONA_EPISODE_DECAY_RATE |
0.01 |
境界より前の記憶に対する 1 時間あたりの減衰率 |
CPERSONA_EPISODE_DECAY_FLOOR |
0.5 |
ペナルティの下限 (古い記憶でも最大で半分まで) |
汎用エイリアス EMBEDDING_MODE / EMBEDDING_HTTP_URL / EMBEDDING_MODEL も
受理されます (両方設定されている場合は CPERSONA_ 接頭辞つきが優先)。
マーケットプレイスのカタログと Quick Start は汎用名を使っています。
コーパス規模の上限¶
以下は、コーパスの規模に比例して増える処理 (インデックス保守・health の修復・ 較正のサンプリング) を抑える上限です。
いずれも絶対的な行数で、およそ 10,000 行のコーパスを想定して決められています。 その規模では全体を覆いますが、150,000 行のコーパスに対しては同じ数値が「標本」に なります。上限に当たってもエラーにはならず、単に小さい答えが返ります。症状が出るのを 待つのではなく、意図的に引き上げてください。
| 変数 | 既定値 | 説明 |
|---|---|---|
CPERSONA_VECTOR_INDEX_MAX_EXCLUDED_IDS |
10000 |
ベクトルインデックスが穴 (hole) として名前を記録できる行数 — ファイルに載せられなかった行 (created_at が標準形でない) と、ビルド時点で埋め込みを持たなかった行の合計。これらは毎クエリで実テーブルから id 指定で読まれます。この数を超えるとインデックスのビルド自体を見送り、recall は (正しいが遅い) 全走査に留まります — 一括インポート後、埋め込みのバックログが捌けるまでの状態がこれです。既定値は 150,000 行コーパスの 6.7% を覆います。最悪ケース (記録済みの穴すべてが後から埋め込みを得た場合) でもクエリあたり約 65 ms で、次回リビルドが穴を吸収すれば解消します |
CPERSONA_REEMBED_ROW_CAP |
5000 |
1 回の check_health(fix=true) が再埋め込みする「埋め込みなし」行数。報告される repairable の上限でもあります。埋め込みは書き込みロックを取る前に行われるため、この値が縛るのは prefetch の実時間とロック中の UPDATE 件数です。大きなバックログを少ない回数で捌きたい場合は引き上げてください: 旧既定値 500 では 50,000 行のバックログに 100 回の実行が必要で、しかもバックログが CPERSONA_VECTOR_INDEX_MAX_EXCLUDED_IDS を超えている間はインデックスもビルドできません |
CPERSONA_NEAR_DUPLICATE_ROW_CAP |
5000 |
deep_near_duplicate が比較する埋め込み済み行数。この比較はメモリが O(n²) です: 1024 次元ベクトルでの実測で、5,000 行はピーク 266 MB / 約 100 ms、10,000 行は 982 MB — 既定値が大きなコーパスを覆わず標本に留めているのはこのためです |
CPERSONA_INVALID_SOURCE_CLASSIFY_CAP |
10000 |
1 回の check_invalid_source_type が分類する不正な source 行数。コストは行ごとの JSON パース (マイクロ秒オーダー) なので、上の 2 つより大きく取れます。上限を超えると標本が不完全になり、チェックは自身の severity を下げることを見送ります — 失われるのは判定であって正しさではありません |
CPERSONA_NORMALIZATION_SCAN_CAP |
10000 |
deep_unnormalized_content が 1 回の実行で読む行数。Unicode 正規化は SQL の述語にできない (SQLite に NFC 関数が無い) ので、これは本文を読まないと答えられない唯一の check であり、この上限が「本文を読む」を「コーパス全体を読む」にしないための線です。上限を超えた実行は complete: false を返し、下限値を総数と読ませません |
CPERSONA_CALIBRATE_MAX_SAMPLE |
5000 |
呼び出し側が何を要求しても効く calibrate_threshold の sample_size の上限。near-duplicate と同じ O(n²) の行列を扱い、無制限な値が接続を共有する全エージェントごとメモリを食い潰すのを防ぐために存在します。引き上げはマシンが抱えられる範囲まで (上記の実測値を参照) |
リモート (HTTP) トランスポート¶
既定は stdio で、MCP クライアントがプロセスを所有し、ネットワークは介在しません。
CPERSONA_TRANSPORT=streamable-http を設定すると HTTP で配信します。1 つの
サーバーを複数クライアントで共有し、ネットワーク越しに到達できます。
| 変数 | 既定値 | 説明 |
|---|---|---|
CPERSONA_TRANSPORT |
stdio |
stdio、または HTTP 配信の streamable-http |
CPERSONA_HTTP_HOST |
127.0.0.1 |
バインドアドレス |
CPERSONA_HTTP_PORT |
8402 |
バインドポート |
CPERSONA_AUTH_TOKEN |
(未設定) | 全リクエストに要求する Bearer トークン |
CPERSONA_ALLOW_UNAUTHENTICATED_HTTP |
false |
HTTP トランスポートを認証なしで動かす |
CPERSONA_ACL_FILE |
(未設定) | クライアント別ケーパビリティ: 名前つき Bearer トークンにエージェント別の read/write 権限を与え、既定は拒否 (ACL 設計) |
CPERSONA_OAUTH_RESOURCE |
(未設定) | RFC 9728 metadata で公開し、クライアントから返されることを期待する正規のリソース識別子。空の間は discovery は無効のまま (OAuth 設計) |
CPERSONA_OAUTH_AUTHORIZATION_SERVERS |
(未設定) | クライアントが認証しに行くべき issuer URL。空白またはカンマ区切り。1 つも列挙されていない間は discovery は無効のまま |
CPERSONA_OAUTH_SCOPES |
(未設定) | 401 と scopes_supported で広告する scope。クライアントは要求されたとおりの scope を返してきて、authorization server は自分が定義しない scope を invalid_scope で拒否する — issuer が定義する scope だけを広告すること |
CPERSONA_OAUTH_JWKS_URI |
(未設定) | このサーバーが metadata を読めない provider のための、issuer の署名鍵の所在。通常は issuer 自身の metadata から解決される。authorization server がちょうど 1 つのときだけ有効 |
CPERSONA_ALIAS_LEDGER_FILE |
DB と同じ場所の alias_ledger.json |
subject 別 alias 台帳の置き場所 — "per_subject": true の行の背後にある、サーバーが書く (issuer, subject) → alias の対応表 (OAuth 設計 §12)。運用者が所有する ACL ファイルと違い、これはサーバーが書くため既定でデータベースの隣に置かれます |
CPERSONA_HTTP_MAX_BODY_BYTES |
4194304 |
リクエストボディ 1 本あたりの予算 (バイト)。Content-Length を読むのではなく、到着したバイトを数えます |
CPERSONA_HTTP_BODY_LIMIT_MODE |
warn |
予算を超えたときの扱い: warn は記録した上でそのまま応答し、reject は 413 を返して読み取りを止め、off は計測自体を無効にします |
CPERSONA_EXTERNAL_CONTEXT_MODE |
warn |
recall_with_context のエントリで、宣言されたフィールドが文字列でなかったときの扱い: warn はそのフィールドを「無かったもの」として読み、該当エントリを context_field_issues に載せます。reject は呼び出し自体を拒否し、off は安全な読みは保ったまま報告だけを外します |
CPERSONA_FUTURE_TIMESTAMP_SKEW_SECONDS |
300 |
呼び出し側が指定した timestamp が、このサーバーの時計よりどれだけ先を指してよいか。これを超えたものを書き込み seam が「誤り」と判定します |
CPERSONA_FUTURE_TIMESTAMP_MODE |
warn |
許容量を超えた stamp の扱い: warn は行をそのまま格納したうえで、ログと書き込み自身の応答に報告します。reject は書き込みを拒否し、off は黙って格納します |
ボディ予算は「測る」ものであって、まだ「拒否する」ものではありません。
このサーバーの他の上限 (CPERSONA_MAX_CONTENT_LENGTH など) は、すべてツール
ハンドラが適用します。ハンドラはボディを全部受信して parse し終えた後に動くので、
それらが縛るのは「何が保存されるか」だけです。「到着させるのにいくらかかるか」は
縛っていません。
CPERSONA_HTTP_MAX_BODY_BYTES はバイトが現れる場所、すなわちサーバーが実際に
受け取ったチャンクの合計で数えます。Content-Length を持たない分割送信も、
Content-Length が実際より小さいボディも、どちらも到着した実量で測られます。
既定の 4 MiB は、このサーバーが受理しうる最大の store のおよそ 29 倍、200 ターンの
会話を載せた recall_with_context のおよそ 10 倍なので、通常のトラフィックが
近づくことはありません。
既定のモードが warn なのは意図的です。リクエストはそのまま完全に処理され、
超過だけがログに出ます (1 回目・10 回目・100 回目に出るので、埋もれることも消える
こともありません)。
あなたのペイロードが実際にどんな分布なのかを、このプロジェクト側は知りません。
誰も測っていないうちに拒否する上限は、当て推量で決めた上限です。まず既定のまま
動かしてログを読み、その数値が自分のトラフィックに合うと確認できてから
CPERSONA_HTTP_BODY_LIMIT_MODE=reject を設定してください。どちらの経路も
テスト済みです。強制の有効化は設定の変更であって、コード経路の追加ではありません。
コンテキストのエントリは、自分の形を宣言するようになりました。
recall_with_context の external_context の各エントリは、文字列のフィールドを
5 つ (role / content / name / user_id / timestamp) 宣言します。2.5.12 まで
schema が名前を挙げていたのは最初の 2 つだけでした。
残る 3 つはずっと読まれていたので、schema を見て実装した呼び出し側には timestamp
が参照されていること自体を知る手立てがありませんでした。timestamp を付けずに
送られたエントリは、日付を持つすべてのメッセージより前に並ぶ「日付なしグループ」に
入っていました。
値はあるが文字列でないフィールドは、そのフィールドが意味しうる何かを指していない
ので、「無かったもの」として読み、エントリはそのフィールド抜きで併合されます。
応答には context_field_issues が付き、該当エントリの index とフィールド名を
挙げるので、黙って吸収されることはありません。
そういう呼び出しを拒否したい場合は CPERSONA_EXTERNAL_CONTEXT_MODE=reject を
設定してください。既定を warn のままにしてあるのは、規則を初めて明文化した
リリースで、今日動いているペイロードが動かなくなるべきではないからです。schema が
宣言していないフィールドは、これまでどおり受理して無視します。独自の管理情報を
一緒に載せている呼び出し側は、そのまま動き続けます。
時計より先の timestamp は、小さな誤差ではなく 1 つの主張です。 store は
呼び出し側が指定した timestamp をそのまま受け取り、confidence の曲線は
max(0, now - timestamp) を読みます。つまり未来の stamp を持つ行は「たった今
書かれた行」として採点され、しかも翌日もまだ未来なので減衰しません。
より大きいのは周囲への影響です。コーパスの span が減衰率を scale するため、 2099 と刻まれた 1 行だけで 3 週間分のコーパスが 70 年幅に広がり、その scope の 他のすべての行について時間軸が平坦化します。
許容量があるのは、呼び出し側の時計がこのサーバーの時計ではないからです。stamp は
別のホストで生成され、ネットワークを 1 往復してから届くので、正しいクライアントでも
サーバーが読む瞬間より少し先の時刻を名乗り得ます。
CPERSONA_FUTURE_TIMESTAMP_SKEW_SECONDS は、それと「単に間違っている stamp」とを
分ける線です。ちょうど now + 許容量 は受理され、それを超えたものだけが
報告されます。
既定が warn なのは、ボディ予算と同じ理由です。行はこれまでどおり格納され、
書き込みの応答が timestamp_ahead_of_clock を伴い、ログが変更すべき設定名を
示します。書き込み自体を拒否させたい場合は CPERSONA_FUTURE_TIMESTAMP_MODE=reject
を設定してください。どちらの経路もテスト済みです。強制の有効化は設定の変更であって、
コード経路の追加ではありません。
この設定の外に置いてあるものが 2 つあります。
復元 (import_memories) は、どのモードでも該当行を報告したうえで取り込みます。
export したものはそのまま戻せなければならず、ここで拒否すると、まさに点検したい行に
ついてラウンドトリップが不可逆になるからです。
読めない stamp は、この finding の担当ではありません。その行は invalid_timestamp
が持ちます。
すでに格納済みの行については check_health が future_timestamp を報告し、
fix=true が各行を自身の created_at (その行が正直に保持している挿入時刻) から
復元します。locked な行には触れません。
discovery は明示的に有効化するまで無効です。 OAuth に対応したクライアントは RFC 9728 の metadata を探し、見つからなければ人間に client id を手で入力させる段まで 落ちます。発見すべきものを与えられなかったクライアントとしては正しい挙動ですが、 資格情報が壊れていると誤読されがちです。
CPERSONA_OAUTH_RESOURCE と CPERSONA_OAUTH_AUTHORIZATION_SERVERS に最低 1 件を
設定すると metadata が公開され、401 に resource_metadata と scope が乗ります。
どちらかが未設定の間は、この機能を持たないビルドとバイト単位で同一の応答になります。
つまり有効化は意図的な操作であって、アップグレードの副作用では起きません。
同じ 2 つの設定がトークンの受理も有効にし、そちらには CPERSONA_ACL_FILE が
要ります。 列挙した issuer が署名し、設定した resource ちょうど宛てに発行した
トークンは、client 識別子 oauth:<issuer>:<client_id> へ解決されます。grant を書く
相手はこれです。別の resource 宛てのトークンは拒否されます。これは MCP SDK が
resource server 側に残している検査です。
検証に ACL モードが要るのは、grant テーブルの無い検証済み identity が、すべての ツールへ届いてしまうからです。ACL ファイルが無い場合、サーバーは検証を off のままに するとログに書き、discovery は提供し続けるので、クライアントは issuer を見つけた うえで拒否されます。
grant は client ごとです。誰かが行を足すまで、新しく接続したクライアントは認証を
通り、スコープを持つツールはすべて拒否し、grant テーブルにその行が無いことを detail に示します。
ループバックへの bind はセキュリティ境界ではありません。 トンネル
(cloudflared / ngrok)、リバースプロキシ、kubectl port-forward、公開された
コンテナポートは、いずれも 127.0.0.1 に転送します。つまり「ループバックに
bind した」ことは、誰が到達できるかについて何も語りません。到達できる者には
全ツールが露出します。delete_agent_data も、ファイルを読み書きする
export_memories / import_memories も含めてです。あなただけが話しかけられる
とは言えないプロセスなら、CPERSONA_AUTH_TOKEN を設定してください。
v2.5.3 以降、サーバーはこれを強制します。CPERSONA_TRANSPORT=streamable-http
かつ CPERSONA_AUTH_TOKEN 未設定なら、起動を拒否します。
2.5.2 以前からアップグレードし、トークンなしで HTTP トランスポートを動かして
いる場合、サーバーは起動しません。 CPERSONA_AUTH_TOKEN を設定するか、本当に
認証なしでよいことを CPERSONA_ALLOW_UNAUTHENTICATED_HTTP=true で宣言してください
(ローカル開発限定)。それ以前の版は認証なしのループバック bind を許し、
「ループバックのみに bind した」とログに出していました。これは安全宣言のように
読めますが、安全宣言ではありませんでした。
CPERSONA_ACL_FILE の設定は、同じ要件を別の方法で満たします。全リクエストが
名前つきクライアントに解決されなければならないため、単一トークンの検査は適用
されません。
このモードでは CPERSONA_AUTH_TOKEN は無視されます (起動時に警告)。従来の
トークンを使い続けるべきクライアントは、ACL ファイルに明示的に列挙する必要が
あります。権限モデル・ファイル形式・ツール分類は ACL 設計 を
参照してください。
recall の融合モード (CPERSONA_RECALL_MODE)¶
rrf(既定) — Reciprocal Rank Fusion。vector と FTS のチャネルを 順位のみで融合します。頑健でスケール非依存ですが、スコアの大きさは捨てます。rsf— Relative Score Fusion。各チャネルの生スコア (vector はコサイン、 keyword は bm25) をクエリ単位で min-max 正規化して加算するため、keyword チャネルの bm25 の大きさが融合後も残ります。話題ドリフトが起きやすい文脈や、 分かち書きのない言語 (日本語など) で推奨です。rrfが平坦化してしまう その大きさこそが、そこでの識別シグナルだからです (≈ Weaviate のrelativeScoreFusion。ClotoCore のRECALL_CONTAMINATION_AB_2026-06-14レポート §10–12 を参照)。
この正規化の代償に注意してください。各チャネルの最下行は 0.0 に固定され、 候補が 1 件しかないチャネルではその行が 1.0 に固定されます。つまり融合スコアが 表すのは「クエリへの類似度」ではなく「一緒に retrieve された候補の中での位置」 です。
autocut はこの固定に対しては働きません。類似度スケールのシグナルにしか発火
しないためです
(契約 §6)。
ただし品質ゲートは、依然として融合スコアをコサインスケールの閾値と比較します。
したがって CPERSONA_CONFIDENCE_ENABLED=false (既定であり、
CJK の指針 が前提とする構成) のとき、
強く一致している行が「強い集合の中で最弱だった」という理由で落ち、逆に弱い単独
一致が通ることがあります。confidence を有効にするとゲートは confidence スコア
側に移り、この問題は避けられますが、その代償はすぐ下に書いたとおりです。
既定は rrf のままです。
- cascade — チャネルを順番に埋める方式 (レガシー)。
CPERSONA_CONFIDENCE_ENABLED=true のとき、融合モードは返却順を決めません。
融合は「どの候補が結果集合に入るか」を選びます。その後 confidence スコアリングが
集合を並べ直し、品質ゲートも融合スコアではなく confidence を見ます。
1,545 件のコーパスに 394 クエリで実測しました。confidence 有効時、rsf と rrf は
394 クエリすべてで同じ行を同じ順序で返しました。無効時は一致が 10% 未満でした。
融合モードを設定してランキングの変化を期待するなら、confidence は無効のままにするか、 モードが効くのは「どの記憶が考慮されるか」であって「返ってくる順序」ではないと 理解してください。